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| 写真提供 高橋屋観山荘 |
| 資料提供 慶應義塾大学 |
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鳴海 名産絞り店 隷書東海道(弘化刊) |
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街道には、土蔵造りの商家が並んでいる。この絵は鳴海宿手前約二キロメートルの有松の町並みである。店に掲げられた看板には「名物有松紋」と書かれている。紅や藍色に染められた美しい絞り木綿が店の中に掛けられている。当時の道中記はいずれも名産として記している。左側に山地、右側に有松絞りの問屋が並ぶ、街道は見事に遠近法で描かれている。中央には旅姿の婦人二人がいる。右側の婦人は絞りの浴衣を着ている。有松絞りは当時江戸で流行していた。これだけ沢山絞り地が並んでいるのを見てしまっては、二人はこのまま店屋の前を通り過ぎて行くはずがない。これから店に入り、買い物をしてしまうだろう。右側を風呂敷包みを背負った商人が歩く。漆喰を塗り固めた土蔵造りの商家が並ぶこの町は、随分火災に気をつかっていたのだろう。手前の防火用水に書かれたマークは「清」で、版元丸屋清兵衛の広告である。商人の前を見ると、店頭に旅の男がいる。店の中を覗いている様子である。妻や娘の土産にしたいのだが、入るのにはきまりが悪いという、中年男の姿を描いているのだろうか。四十代半ばの広重自身の姿かもしれない。絞り地はもとは有松で作られ、鳴海で販売されていたともいわれているが、実際には両地で作られていた。『膝栗毛』の弥次郎兵衛はこの有松で、さんざん値段を聞き、最後に手ぬぐい分だけ切ってもらっている。広重の鳴海宿の絵は他のシリーズも本図と同様、土蔵造りの町並みである。この絵が有松なのか、鳴海なのかは古くから問題になっているが、蔦屋吉蔵版(中判)は本図と同図柄で、「有松里」と題されている。こうした町並みは通常有松といわれているので、この絵は鳴海ではなく有松とみるのが妥当であろう。
文献:慶應義塾大学 三田情報センター 文献シリーズ22≪広重 東海道 錦絵を読む≫ |
| ※ お断り 広重は生涯で出世作「保永堂版・東海道五十三次」のほかに20種類以上の東海道錦絵を描き続けたとされています。(文献 はしがきより) そのため、絵皿の風景と宿場の解説が一致していないものもございます。 ご承知おき下さい。 |
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