伝統的な大工道具を
作り続けたい。

人&人リレー Vol.09 2002年4月10日号



田巻勇一さん
 


田巻 勇一

Yuuichi Tamaki (53才) A型  三条市生

●田巻製作所 墨坪彫師

墨坪を作り続けて34年。
父親の勇さんと妻の智恵子さんらと共に三条市西本成寺の工場で墨坪、木製インテリア製品などを製造している。
彫刻細工を専門に手がけ、得意とするのは鶴亀。


墨坪

伝統的な
大工道具墨坪
墨坪は材木に直線を引く時に使う大工道具。素材は硬く木目が美しいけやきの木。
そのけやきの木に彫り細工をし、独自のスタイルに仕上げる。昔は木製の墨坪が主流で作れば売れる、という時代でした。
しかし今は、家屋の建築方法が変わり使用頻度が減ったこと、また安価なプラスチック製のものが多く出るようになったことから木製の墨坪の需要はめっきり減りました。
最盛期には三条市内に30件ほどあった墨坪屋も現在は4件になってしまったほどです。
それでも私は、木製の墨坪にこだわっていたい。伝統的な大工道具として作り続けていきたいと思ってます。

ベビーシューズ
木肌がやわらかな
ベビーシューズ

父親が墨坪を作っていたので、子どもの頃から身近にあり、愛着があるんです。小学生くらいになると加工された部品を取りに行ったり、少しずつ手伝いをはじめました。
本格的に修業を始めたのは高校卒業後。親父の弟である叔父が私の師匠で、彫刻を専門に教えてもらいました。
墨坪に何を彫るか、同じものを彫っても微妙に位置が違うだけで全く違うものになることさえある。その奥深さに魅せられた。
これまで鶴亀や龍、河童、鯉などいろんなものを彫ってみました。ただ飾りというのではなく、鶴なら今にも飛び出しそうな感じを出したい。亀はどっしりとしたイメージが出せればいい。そう考えるとつい入れこんでしまいます。(笑)
ほかには木製のインテリア製品やベビーシューズの置物なども彫ります。どんなものを作っていったらいいのか常に模索しながら商品開発のことを考えています。

作業風景
職人技を
守り続ける

個人では商品のPR、販路拡大はなかなか難しいものです。個人の力は弱くても力を結集させれば強くなる。
そこで3年程前に、三条市内の職人12人で「三条名匠会」を結成しました。モノ作りに歴史ある三条の職人が作った利器工匠具を全国にアピールしようというものです。そのため、インターネットを活用し、ホームページで会員などの紹介をしています。今後の私の課題としては、それを上手く活用し、商品の最新情報を提供していくこと。新しいものを取り入れながら、伝統的なモノの良さも知ってもらう。そして、私はその伝統技術を守っていかなけらばいけない。





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